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Vol.73 祭祀の権利の承継

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Vol.73 祭祀の権利の承継

祭祀の権利の承継について

民法は、お墓や祭壇などを含む「祭祀の権利の承継」について、相続とは異なる特別の規定(民法八九七条)を設けています。
そのため、被相続人は生前、相続財産の相続とは別に、「祭祀の権利」を承継しておかなければ、死後、親族間等で予期せぬトラブルに発展する可能性があります。

 まずは、民法の規定を見てみましょう。
「祭祀」とは、「系譜」(家系を表示するもの)、「祭具」(仏壇等)および「墳墓」(墓石等)をいいます。
そして、祭祀に関する権利は「祭祀主宰者」が承継すると定められており、この祭祀主宰者は、優先度の高い順に 一.被相続人の指定 二.慣習 三.家庭裁判所の審判、これらによって定められます。

 では、生前に祭祀の権利の承継をしておかないと、どの様な問題が起こるのでしょうか。
被相続人の指定がない場合、祭祀主宰者は慣習により定まるとされていますが、実務上は、家制度的な慣習の存在も地域的な慣習の存在も、認めたものはほとんどないため、結局家庭裁判所が主宰者を定めることとなります。

家庭裁判所の審判は、相続人等が対立する親族等相手方を立てて申し立てを行うことになります。また、家庭裁判所での審判も、相手方住所地の家庭裁判所で行わなければならなくなるなどの可能性もあります。

このように、家庭裁判所の審判は、親族間で対立が生じたり、煩雑な審判手続きを踏まなければならなくなったりするなどの負担を遺されたご親族に強いてしまうおそれがあります。

したがって、先祖代々守り続けてきた祭祀を平穏に後世に残すには、被相続人が生前に祭祀の主宰者を指定しておくことが非常に重要です。

なお、被相続人の指定の方法は生前行為でも遺言でもよく、またそれらは、口頭、書面、明示、黙示のいかんを問わず、いかなる仕方によるも、指定の意思が外部から推認されるものであれば有効です。
もっとも、大事な祭祀の権利の承継ですから、ご親族が快く被相続人を送り出せるよう、誤解の生じないように承継することが大事です

「7つの習慣 人格主義の回復」

恥ずかしながら経営者の知人から教えられこの本を読んでいます。人格主義の回復を訴えるコヴィー博士の著書ですが、第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」という章で、自分の人生の行動・価値基準として、人生の最後を思い描いてそれを念頭において今日という一日を始める、という原則が謳われています。私自身も目の前にある日々の仕事や雑事に追い立てられ、限りある自分の人生を無駄に過ごしている日々が多いように反省しています。自分の人生を正しい方向に向かわせるため、今からでも目的地(終わり)を思い描きながら日々過ごしていきます。