相続財産に占める不動産の割合が大きいと、【争い】になる可能性が高くなります。
「相続争い」で裁判所にお世話になる場合の遺産の額は、国税庁の平成二十九年度のデータによると、七○%以上が総額五千万以下です。普通の中流家庭で非常に多く起こっています。
なぜ争うことになるのでしょう?
相続財産に占める不動産の割合が大きいと、遺産分割の際に【争い】になる可能性が高くなります。
◆分割方法
要因の一つは、ご兄弟の一人が実家を相続(現物分割)した場合は、実家に住まない他の兄弟に対して、代償金を支払う必要(代償分割)があります。ただしこれは「実家」を取得したご兄弟に支払い能力があることが前提になるので、「実家の不動産」について
・継続して住む(誰が)
・売却して現金化する
二つで意見が割れて争いとなる可能性があるのです。
◆不動産の評価方法
さらに、不動産の評価方法が固定していないことも、争いの要因の一つです。
遺産分割の時には、一般的に「時価」で評価しますが、業者によってその査定額が相違します。例えば、代償金を支払う側と受けとる側とで別々に査定を依頼した場合は、不動産評価が相違する可能性があります。
遺産相続トラブルになった場合のデメリットは?
相続争いが長引くと、仲が良かったご兄弟でも軋轢が生じます。
話し合いが決裂し、遺産分割ができないまま家庭裁判所に協議が移された場合は「競売」となる可能性があり、売却額は相場より5-7割の価格となります。法律では任意売却ができるようになっていますが、落札されてしまった場合や、相続人のうち一人でも「任意売却をしたくない」「競売手続きによって換価分割するべき」という人がいたら、任意売却はできません。
相続争いがあると『人間関係・時間・お金』全てにデメリットが大きく、ご兄弟誰一人として喜べません。
人間関係に問題がない「今」のうちに、専門家に相談することが予防になり、また将来の相続時の不安が解消されます。